1. 相続税とは？
相続税は、故人が残した財産を相続したときにかかる税金です。現金や不動産、株式などが対象になりますが、基礎控除という制度があり、一定額以下の財産には相続税がかかりません。

2. 基礎控除の計算方法
基礎控除額は次の計算式で求められます。 
3,000万円 ＋（600万円 × 法定相続人の数）
例えば、法定相続人が配偶者と子ども2人の合計3人の場合、基礎控除額は次のように計算できます。
3,000万円 ＋（600万円 × 3人）＝ 4,800万円
この金額を超える遺産に対してのみ相続税が発生します。

3. 相続税の計算例
〈事例〉
故人の遺産総額が 6,000万円 で、相続人が配偶者と子ども2人の場合
① 課税対象額の計算
遺産総額 6,000万円 － 基礎控除額 4,800万円 ＝ 課税対象額 1,200万円
② 相続税の計算
課税対象額を相続人の法定相続分で分けて計算します。
・配偶者：1/2（600万円）→ 税率10％ → 60万円
・子ども1人あたり：1/4（300万円）→ 税率10％ → 30万円
③ 合計の相続税額
60万円（配偶者）＋ 30万円（子ども1）＋ 30万円（子ども2）＝ 120万円

4. 税額控除の活用
配偶者は「配偶者控除」を利用できるため、1億6,000万円または法定相続分のいずれか多い方までは非課税になります。
例えば、今回のケースで配偶者の相続分が600万円の場合、配偶者控除により課税額0円となります。

5. 相続税対策のポイント
・生前贈与の活用：1年間に110万円までの贈与は非課税です。
・不動産の活用：現金よりも評価額が下がる場合があり、節税につながることがあります。
・専門家への相談：相続税は状況によって大きく異なるため、税理士などの専門家のアドバイスが重要です。

相続税の計算は複雑に感じるかもしれませんが、基礎控除や税額控除などの仕組みを知ることで、負担を軽減できる場合があります。大切なご家族のために、早めの準備をおすすめします。

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