「お母さんの遺産は、私たちでしっかり守らないとね。」
母親が急逝し、40代の姉妹が実家に集まりました。いざ相続の話になると、「法定相続人」って何？誰が対象なの？
と、戸惑いが広がりました。
法定相続人とは、法律で定められた「財産を相続する権利を持つ人」のことです。
〈法定相続人の基本〉 法定相続人には、以下の優先順位が決められています。
① 配偶者（夫または妻） → 常に法定相続人となります。
② 子ども（実子、養子） → 配偶者とともに相続します。子どもがすでに亡くなっている場合は、孫が代わりに相続する「代襲相続」となります。
③ 父母（直系尊属） → 子どもがいない場合、配偶者とともに相続します。
④ 兄弟姉妹 → 子どもも父母もいない場合、配偶者とともに相続します。兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合は、甥や姪が代わりに相続します。

〈具体的な事例〉 例えば、次のようなケースが考えられます。
《ケース1》 配偶者と子ども2人がいる場合 → 配偶者が1/2、子どもが1/4ずつ相続します。
《ケース2》 配偶者と父母がいるが、子どもがいない場合 → 配偶者が2/3、父母が1/3相続します。
《ケース3》 配偶者と兄弟姉妹がいるが、子どもや父母はいない場合 → 配偶者が3/4、兄弟姉妹が1/4相続します。

〈注意点とポイント〉
1. 遺言書の確認 法定相続人の権利は強いものの、遺言書が優先される場合があります。ご家族がどのように財産を残したいと考えていたのか、遺言の有無を確認することが大切です。
2. 相続放棄の制度 財産が借金などの負債の場合、3か月以内に家庭裁判所で「相続放棄」の手続きを行うことができます。
3. 専門家への相談を忘れずに 相続は感情が絡むデリケートな問題です。税理士や司法書士といった専門家のアドバイスを受けることで、スムーズで円満な手続きが可能になります。

「法定相続人」は、家族の財産を守る大切な権利です。家族が安心して過ごせる未来のために、今のうちから知識を深め、準備を整えておきましょう。

「ご家族の大切な財産、しっかり守りませんか？」
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