「親が亡くなったけれど、財産の内容がよくわからない…」「何をどう調べたらいいの？」
そんな疑問を抱える方も多いのではないでしょうか？
相続財産の調査は、遺産分割や相続税申告の基礎となる重要な作業です。今回は、スムーズに相続を進めるための調査方法について、わかりやすく解説します。

1. 相続財産とは？調査が必要な理由
相続財産には、大きく分けて以下の2種類があります。
✅ プラスの財産（相続できる財産）
・不動産（自宅、土地、投資物件 など）
・預貯金（銀行口座、証券口座）
・有価証券（株式、投資信託）
・動産（自動車、貴金属、骨董品）
・生命保険金（契約者による）
✅ マイナスの財産（相続する可能性がある負債）
・借金（住宅ローン、カードローン）
・未払いの税金、公共料金
・保証債務
これらの財産をきちんと把握しないと、後々「借金があった」「知らない財産が見つかった」などのトラブルにつながることも。

2. 相続財産の具体的な調査方法
① 預貯金の調査
調べる方法:
・故人の自宅や書類から通帳
・キャッシュカードを探す
・銀行や信用金庫に問い合わせる（金融機関ごとに手続きが必要）
・「預貯金の残高証明書」を取得
ポイント:
銀行口座は複数持っていることが多いため、見落としに注意が必要です。

② 不動産の調査
調べる方法:
・登記簿謄本（登記事項証明書）を法務局で取得
・固定資産税の納税通知書を確認
・故人の住所を基に名寄帳（地方自治体で取得可）をチェック
ポイント:
登記上の名義と実際の所有者が異なるケースもあるため、法務局や専門家に相談するのが安心です。

③ 借金や負債の調査
調べる方法:
・クレジットカードの利用明細やローン契約書を確認
・信用情報機関（JICCやCIC）へ開示請求
・債権者（銀行や消費者金融など）に問い合わせ
ポイント:
相続放棄を考える場合、相続開始から3か月以内に判断する必要があります。

④ 株式・投資信託・その他の資産の調査
調べる方法:
・証券会社の口座を確認
・証券保管振替機構（ほふり）に問い合わせ
・取引履歴のある銀行に照会
ポイント:
証券や投資信託の評価額は日々変動するため、相続税の申告時点での評価を行うことが重要です。

⑤ 生命保険の調査
調べる方法:
・生命保険会社に問い合わせ（契約者が故人かを確認）
・郵送物や契約書を確認
ポイント:
生命保険金は「受取人固有の財産」になるため、相続財産には含まれませんが、相続税の対象になる場合があります。

3. 調査が完了したら？相続手続きを進めよう
相続財産の調査が終わったら、次のステップへ進みましょう。
📌 遺産分割協議を行う
→ 相続人全員で話し合い、遺産の分け方を決める
📌 相続税の申告（必要な場合）
→ 相続開始から10か月以内に申告・納税
📌 名義変更などの手続き
→ 不動産、預貯金、車などの名義を変更

4. 専門家に相談するのも一つの方法
相続財産の調査は、時間がかかるだけでなく、専門的な知識が必要なケースもあります。
✅ 司法書士・弁護士: 相続登記や遺産分割のサポート
✅ 税理士: 相続税の申告・節税対策
✅ 行政書士: 各種書類作成のサポート
「どこから手をつけたらいいかわからない…」という方は、一度専門家に相談するのもおすすめです。

まとめ｜相続財産の調査は早めに、丁寧に進めよう
相続財産の調査は、トラブルを防ぎ、円滑に相続を進めるために不可欠です。
💡 ポイントをおさらい！
✔ まずは「プラスの財産」と「マイナスの財産」を整理
✔ 銀行、不動産、負債、証券などを一つずつ調査
✔ 期限（相続放棄は3か月、相続税申告は10か月）に注意
✔ 必要に応じて専門家に相談
「相続」は、大切な家族の財産を受け継ぐ大事なプロセス。
焦らず、確実に調査を進めていきましょう。
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